トイ・ソルジャーズ(5)の感想

2010.05.14 Fri 17:26
米田鷹雄


さて、本筋はエピローグに。

九具津はヲタの先輩として偉大な格言を……ではなくw、リア充もといエリートだらけのバベルの中にヲタとして疎外感を感じて離脱したのだと。これは、マッスルと同じパターンといえますね。
パンドラには戦災孤児である澪らのように社会的に困難な状況におかれたものと、九具津やマッスルのようにマイノリティとして社会から疎外されたものが主要メンバーということになるのでしょうか。
そういう人間がより集まっているからこそ、九具津はバベルよりもパンドラにおいて自分は評価されている、と感じているわけか。

でも、賢木はそこに、超能力者そのものがマイノリティであって疎外されているのだという独白を重ねています。
実はこれは、九具津よりも「危険」な考え方です。
九具津は「普通人⇔超能力者」というカテゴライズより「ヲタ⇔リア充」というカテゴライズを重視したわけで、これは、彼が超能力者でなかったとしてもかわらないわけです。
しかし、賢木はノーマルとエスパーの対立というのが基本的なカテゴライズになっていて(大学時代のエピソードでも語られてましたが)、でも、理想に向かって理性でそれを抑えているという人物なんですな。
皆本は、ノーマルもエスパーも別け隔てないという考えで、だからこそザ・チルドレンを「子供扱い」しているわけで。
仲間であり親友であり戦友である皆本と賢木ですが、このあたりの考え方のちがいは、ある意味で致命傷になりかねないですなー。

ただ、パンドラでもバベルでも、超能力者たちに共通しているのは、「居場所」を求めているということかもしれませんね……。

さて、ストーリー的には、今回、ちょっとわかりにくい気がします。
九具津の人形が無差別テロをしようとした理由もわかりにくいし、今回でも「バベルから無事に戻れるか〜」というのは、事件解決後、九具津がバベルに一度、事情徴収されるかなにかしていることを意味していると思うんですが、時間経過もわかりにくかったような。
で、九具津が「拘束」できなかったのは、彼もまた、ロシア国籍・外交官特権(もしくは外交官の家族扱い?)をもっているからなんでしょう。

ただ、今回救出してもらった「お礼」があのマテリアルジェルということなのでしょうか。
フェザーに自由な形をつくってもらおうということか……これで、人間型じゃなくて、ペット生物みたいになったら、桃太郎とかぶる?w

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