136th sense.「オーバー・ザ・フューチャー(6)」の感想

2008.07.03 Thu 00:46
米田鷹雄


バリヤー破りはちょっとそれっぽいですけど、基本的に戦闘によってではなく、心理描写によって成立させているのが、さすが椎名先生。

兵部が記憶の再生に手を貸したり、小学校をジャックしたりしたのは、子供のままでいるという選択を皆本に選ばせるため。子供の方がいいやと思わせるためだったという結論でいいのかな?
大人人格を抑え込んでいる今の皆本では、甘言にのるのも当然か。

そして、やはり兵部は皆本の強制的な排除をすれば薫が薫ではなくなると認識しているのですね。
かといって、このままでは、破滅の未来は変えられない。
皆本がいくら頑張っても未来は誤差程度しか変わらない。
ならば皆本の方を変えることで未来を変えてしまおうと。

というわけで、前回予想した通り、かねてからと同じく皆本の記憶を消そうとするわけですね。
ただ、そこから一歩踏み出しているのは、自分の命までかけていること、そして、皆本を超能力者化するというところでしょう。

ノーマルを滅ぼすつもりの兵部にとって、最適解は皆本の超能力者化だったと。
しかし、薫のためとはいえ、自らの命をかけてまでそれをやろとする……
薫のためというのが一番だとしても、その薫のために努力している皆本のことは認めているのかなぁ、と思わされました。だって、これって皆本もパンドラに入れるというってことですもんね。

一方、チルドレンたちは予知のことをしらないわけですから、兵部がヒドイことをするとしか思えない。
やっぱり、小学生プレイはあくまでオプションでなんですなw

バリヤーの中から薫に見せた表情は、別れの表情ってことなんですよね。そこに最後のシーンで理解されない寂しさがあるようにも。

でも、今回の兵部は、なんというか、娘の彼氏をようやく認め、「○○くんと幸せに暮らすんだぞ」といって自己犠牲するおとーさんのようだと思いましたw


今回、兵部は薫が昔の自分のようだといいますね。
ということは、予知の未来における薫は、今の自分のようだということになるのでしょうか。今の兵部=裏・皆本なわけですから、未来の薫と皆本は表裏の関係?
一心同体でありながら、別れなくてはいけなかったのは、必然ということに……。

最終的に子供を選ぶか大人を選ぶかというのは、与えられた未来を選ぶか、自力で未来を掴むかという差になるのかな。

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