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逆行皆本一代記 2周目
初出:NigtTalker GS・絶チル小ネタ掲示板
  【 逆行前後略 】

「お固く真面目に一生懸命やって……あげく、あの三人は兵部少佐に取られちゃったのね。そう思わない?」
「じゃあ、どうしろと!!」

 蕾見管理官の言葉に、皆本は反駁する。

「簡単よ〜〜。あなたがチルドレンとデキちゃえばいいいのよ」
「あっ!?」

 満面の笑みでかるーくそう言い放った蕾見。
 それに皆本は、呆気にとられたり────していなかった。
 間の抜けた返事は、彼が瞬間的に頭を抑えたことによるものだ。

(……そうだ、思い出したぞ)

 チルドレンの担当指揮官志願を要請された時に、自分自身の記憶に施した封印(それも皆本が密かに開発した、紫穂や蕾見でも破れないものだ)が解けた。蕾見の、この言葉を開錠のキーワードにしていたのである。
 自分が時間逆行してきたこと、同じ悲劇を繰り返さないよう努力し、自分を変えてきたこと、それらがリーディングされれば予定が狂ってしまうと考えてのことであった。
 だが、ここまでくれば、もう問題ない。

「その通りですよ、蕾見管理官!」
「あっ!?」

 今度は蕾見が驚愕した。それは今までの皆本なら、頑なに拒否すると思い込んでいたのに。

「いや、やっぱりね、既成事実っていうのは重要ですよ。なーに、昔の僕はヘタレでしたが、克服しましたよ!」

 そう叫びながら、どこからともなく取り出した“克服用自習教材”を、蕾見の前にぶちまける。
 SMスナイパー、悪徳の栄え、シネマジック作品といった定番ものから、団○六、刑○真芯、あげくは幻の奇譚クラブまで並んでいた。

「え、えーと、皆本クン?」
「安心してください。僕は僕自身を鍛えましたよ! 要はあいつらが僕から離れられないようにすればいいんです! 僕の言うことならなんでもきくようにすればいいんです! いっつもわがままばかりいいやがって、そうだ、調教だ!」

 皆本は一気にまくしたてた。
 そのあまりに熱すぎるカミングアウトに、蕾見はドン引きで──やがて、少し冷静さを取り戻して、

(ま、まあ、形式はともかく、私の考えていることと同じ……ってことでいいのかしら)

 そう思って、皆本に許可を与えてしまったのが間違いだった。
 勇躍、チルドレンたちをつれて六本木アル○ァインに赴いた皆本だったが、暫く後に、そこから聞こえてきたのは……

「女帝様、女神様、女王様! パンドラでもなんでも一生ついていきますから、もっとしてください〜〜」

 ────そして、世界は三度核の炎に包まれた。
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