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逆行皆本一代記 801周目
初出:NigtTalker GS・絶チル小ネタ掲示板
【 ばっさりと略 】
「その通りですよ、蕾見管理官!」
「あっ!?」
今度は蕾見が驚愕した。それは今までの皆本なら、頑なに拒否すると思い込んでいたのに。
「いや、やっぱりね、既成事実っていうのは重要ですよ。なーに、昔の僕はヘタレでしたが、克服しましたよ!」
そう叫びながら、どこからともなく取り出した“克服用自習教材”を、蕾見の前にぶちまける。
薔薇族やBadi、JUNEといった定番ものから、竹○恵子、山○純一、あげくは幻の炎多留まで並んでいた。
「え、えーと、皆本クン?」
「安心してください。僕は僕自身を鍛えましたよ! 要は兵部をこちらに引き込んでしまえばいいんです」
皆本は一気にまくしたてた。
そのあまりに熱すぎるカミングアウトに、蕾見はドン引きで──やがて、少し冷静さを取り戻して、頭を抱えた時、急に別の人間が現れた。
「まったく……」
テレポートで出現したのはその兵部であった。
「きょ、京介。ちょっと、この馬鹿になんか言ってやって」
思わず蕾見も助力を頼む。
「ふむ。君にも困ったものだ……僕の気持ちに気付くまでに、こんなに時間がかかるなんて」
「……へっ?」
蕾見を置き去りにして、二人の物語は紡がれていく。
「ごめんよ、兵部。僕、勇気をもてなくて……」
「なんで、あやまるんだい。馬鹿だな、光一」
「だって、君がツンツンしすぎるんだよ」
「ふふっ……でも、これからは、デレしか見せられないかも知れないな。そう、君を手に入れるために、僕はパンドラをつくって、気を引こうとしていていたんだから」
「ひどい人だ」
「愛は障害があったほうが燃えるものだろ?」
二人の世界に突入していく。
が、いつのまにか、それを幾重にも取り囲む人垣が。
「皆本……どーりで手を出してくれないと思ったら!」
拳を握り締める女王。
「うち、信じてたのに……」
肩を振るわせる女神。
「世の中、奇麗事じゃすまないのよ」
冷たい視線の女帝。
「認められるかああーーーッ!!」
激昂して分身する少女。
「少佐、なんで、私の想い人をとちゃうのよ〜!」
筋肉をくねくねとうねらせるマッチョマン。
etc、etc……
「殺らないでかっ!!」
敵味方合わせた超能力者軍団は、異口同音に閧の声をあげた。
────そして、首領を失ったパンドラは崩壊し、世界は平和なまま過ぎていった。
めでたしめでたし(?)
で、おしまい。
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