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絶対可憐チルドレン 中学生編完結

ついに絶対可憐チルドレンが中学生編を完結しました。
連載開始まで難産だったこの作品が、大河ドラマとして書き綴られていることは感涙ものですね。

さて、中学生編の総括めいた感想を。

まさか中学生段階で「未来」が“回避”されるとは思いませんでした。
これは最後の最後まで引っ張ると思っていたので。
さすがおキヌちゃんの復活を最終回まで待てなかった椎名先生だ(ほめてます)。

しかし、この「未来」の解釈が、実にSFしていて、これまたさすが椎名先生ですね。
フェザーの未来が消える、という表現からして、多元世界的解釈はとらずに、一本の世界線が変化していくということですね。
また、未来予知という「観測」により、未来が確定してしまうという量子論的な話も出てきました。
つまり、未来とは「重なりあった状態」と「確率解釈」によって存在している(考えてみるとプレコグたちの予想も確率で表示されていました)ということでしょう。
伊号たちは、その重なりあった状態のうち、高い確率のものを観測することができるとともに、観測することでその未来を確定させていたということになります(伊号の予知を「隊長」が知らなければ、兵部を撃つこともなく、その後の兵部=パンドラもなかったことなどは、その典型でしょう)。

しかし、伊号の“死”により、観測は失われ、今の「重なりあった状態」を高い確率で観測できるものはいなくなりました。
これが、未来は未確定になったということのアイコンになります。

ただ、中学生編最終回で京介が述べているように、「帰納法」的な意味での「あの未来」は失われたわけですが、「演譚法」的な意味での「あの未来」はまだ存在しているということですね。
中学生編では兵部と皆本のある種の和解が、終盤のエピソードとして描かれたわけですが、皆本の意識は変化していないというのが課題として残ったということに。
……シリアスに書いてるけど、人類を救うために早くデレろってことだよなw

もともと、皆本と兵部の理想は「超能力者が差別されない世界」を目指すという戦略目標においては一致しています。
それに対する方法論に大きな違いがあっただけなわけで、しかも、捻くれてツンデレってしまった兵部のひっこみのつかなさ(あるいは子供っぽさ)が方法論の違いの大きな原因なので、そこが取り払われれば、皆本が描く(かつては兵部も夢見た)理想の方法論に兵部が歩み寄るのは自明ともいえましょう。
パンドラの若年層をチルドレンと同じ学校に通わせるなんてのは、兵部が最初からそれを自覚していたからにも思えます。
……って、なんだろう、お互いの弟子にまではわだかまりをもたなかった猪木と馬場にようだw

もちろん、皆本と兵部の歩み寄りには「共通の敵」の存在も大きいわけで。
それが高校生編でもなお立ちはだかることが、中学生編最終回で示されました。
手駒はなくなったようにも思えるのですが、さて、どうなりますやら。


最後に中学生編で残念だったことをひとつ。
中盤以降はいわゆる「本筋」のみに修練してしまい、サブキャラの活躍が目立ちませんでした。
バベルでいえば賢木と(これも終盤はリタイア状態の)蕾見以外、ナオミやザ・ハウンド、ダブルフェイスといった面々は顕著でした。
また、チルドレンの中でも薫に焦点が集約してしまい、葵や紫穂は(登場はしているものの)霞みがち。
特に前者は、折角、皆本が全超能力者を動員(指揮)できるという設定をつくったのに、生かされないまま終わってしまった感じ。
これらは勿体無かったなぁ、と。本筋の隙間にもうちょっとドタバタとかサブキャラをいれてほしかった。
能力者と普通人の間の対立という広範な社会的背景をもっていて、メインキャラたちの想いだけでは抗いがたい社会の流れが小学生編から中学生編前半まではあって、作品世界の広がりがあったのですが……。
ちょっとセカイ系になってしまったなぁ。

もっとも、その背景はわからないでもないです。
TwitterかBlogで椎名先生が表明されていましたが、東日本大震災以来、バベルの出動──特に自然災害に対するものは、精神的に書きにくくなってしまったとのことでした(確かに地震に対する出動や、津波を扱ったエピソードもありました)。
そうなると、サブキャラたちを活躍させる余地が少なくなってしまうのをやむをえないのかなぁ、と。



さてさて、次はいよいよ高校生編がスタート。
再開は夏ということなので、半年ほどの長期休載ということに。
次回予告カットにチルドレンが「4人」いたのが気になります。
黒髪の長髪……既存のバベルキャラでは、梅枝ナオミですが、中学生編でもサブキャラとしての役回りにとどまった彼女とは思い難い。
すると……悠理??
どういうことになるのでしょうか。
最終章と銘打たれた高校生編の開始が待ち遠しいですね。

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